風鈴で有名な京都のお寺「正寿院(しょうじゅいん)」。
この記事には、正寿院が風鈴寺と呼ばれるゆえんである「風鈴まつり」の様子や開催概要ほか、正寿院の風鈴まつりを目一杯楽しめる情報を詰め込みました。
2025年の正寿院「風鈴まつり」開催期間は【6月1日(日)~9月30日(火)】を予定。
本文では、正寿院の見どころとして有名な「ハート窓」「天井画」のほか、「御朱印」「数珠作り」など正寿院でできる体験メニュー、参拝のご利益なども掲載しています。
※本記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。諸事情により最新の状況と異なる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト等で最新の情報をご確認ください
※2025年5月、一部情報を更新
正寿院の風鈴まつり
正寿院の風鈴まつりとは?
夏の正寿院観光に欠かせないのが「風鈴まつり」。正寿院では、毎年京都の夏の風物詩として風鈴まつりが開催され、境内には2000にもわたる数の風鈴が頭上いっぱいに吊るされます。これこそ正寿院が「京都の風鈴寺」と呼ばれる理由です。
2025年の開催概要

毎年夏に開催される夏の風物詩「風鈴まつり」
●名称:風鈴まつり
●期間:2025年6月1日(日)~9月30日(火)
●拝観中止日: 2025年8月17日(日)
●時間:9:00〜16:30
●場所:正寿院境内(アクセスはこちら)
●料金:800円(菓子付き)
●予約:不要
●注意事項:
・婚礼撮影や七五三等など、カメラマン同行の撮影は事前申請必須。
・拝観料とは別途、駐車場参道協力金1組300円(1名の場合200円)。また、混雑状況によっては駐車場の入場制限あり。
「風鈴まつり」例年の様子

正寿院オリジナルデザインの風鈴
風鈴まつりでは、境内を見渡す限り、たくさんの風鈴が並びます。それぞれの風鈴に工夫が施されており、私たちがよく目にするものとは一味違ったデザインを見ることができます。

風鈴まつり名物「花風鈴小径」
実はこの風鈴たちは正寿院オリジナルで製作されたもの。参道に続く花風鈴小径(こみち)は、紫陽花(あじさい)、向日葵、朝顔など季節の花で彩られ、無数の風鈴の風景と鳴り響く音色が私たちに夏の涼を感じさせてくれます。

ひまわり風鈴
2022年の風鈴まつりでは、6月~7月初旬に「あじさい風鈴」、7月初旬~8月に「ひまわり風鈴」、9月には「こすもす風鈴」が並びました。
さらに写真映えを狙いたいなら夜間に行われる風鈴のライトアップもおすすめ。日中の姿とはまた違った風鈴の幻想的な景色が見られます。
もちろん写真撮影にはもってこいの景色ですが、目で楽しむだけでなく五感を使って日本の夏の風物詩を味わうことができるのがこの正寿院風鈴まつりの見どころです。

見て、聴いて、涼を感じられる風鈴
正寿院は知るひとぞ知る京都の避暑地。夏の猛暑で有名な京都ですが、正寿院は京都市内の気温と比べて5℃ほど低い宇治田原町に立地しています。
そんな正寿院で風鈴の音の響きを味わいながら京都の夏の暑さをしのぎたいですね。
祭り期間限定「絵付け体験」
風鈴まつりの期間中は、境内で随時風鈴の絵付け体験が可能(有料)。さらに、絵付けした風鈴は持ち帰ることができます。
予約は不要なので、体験希望の場合は境内の案内看板に従って受付をし、風鈴と画材をもらいましょう。
カラーペンや絵の具で自由にデザインするもよし、見本品をお手本に仕上げるもよし。
個人差はありますが、一人当たり20〜30分ほどで完成する場合がほとんどです。
風鈴絵付け体験
●期間:2025年6月1日(日)~9月30日(火)
※2025年8月17日(日)を除く
●時間:随時(9:00〜16:30の間)
●料金:1600円(拝観料別)
●予約:不要
正寿院の風鈴まつりへ行こう
正寿院までのアクセス

ライトアップされた正院寺の紫陽花風鈴
●住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
●拝観時間:
(4月1日〜11月30日)9:00〜16:30(最終受付16:15)
(12月1日~3月31日)10:00~16:00(最終受付15:45)
●拝観中止日:8月17日
●拝観料:一般 1000円、子ども 500円(いずれも菓子付)
●公式サイト:正寿院
●アクセス:
(公共交通機関で)
①バス停[JR宇治駅]より京都京阪バス186系統(宇治奥山田茶屋村線)に乗車し、バス停[奥山田正寿院口]下車後、徒歩約15分
※京都京阪バス186系統(宇治奥山田茶屋村線)は2025年3月22日~2025年12月6日の休日のみ運行
②バス停[JR宇治駅]・[京阪宇治駅]より京都京阪バス180系統(維中前行き)に乗車し、バス停[維中前(宇治田原バスセンター)]で下車後、タクシーで約10分
③JR[宇治駅]・京阪[宇治駅]より観光タクシーで約40〜50分
※観光タクシー行程・料金参考:タクシーで快適♪宇治田原を満喫!正寿院と寺社巡りの旅|MKトラベル
※風鈴まつり送迎プラン参考:正寿院 風鈴まつり送迎プラン 2025【午前・午後プラン選択可】|MKトラベル
(大阪方面から車で)
①京滋バイパス[宇治西IC]より約30分
②第二京阪道路[枚方学研IC]より約40分
(名古屋方面から車で)
①京滋バイパス[南郷IC]より約20分
②新名神高速道路[信楽IC]より車で約30分
正寿院の周辺観光スポット
平等院鳳凰堂

藤原氏によって建てられた宇治の「平等院鳳凰堂」
宇治の観光スポットとして絶大な人気を誇る「平等院鳳凰堂」。10円玉硬貨にデザインされていることでおなじみの誰もが目にしたことがある寺院です。
関白藤原頼通が創建し、平安時代の浄土信仰の象徴となっています。大きな池に映し出された阿弥陀堂の姿はまるで極楽浄土そのもの。2014年に大改修を終えたばかりで、創建当時の風貌をそのまま感じられます。
お茶の郷 木谷山
宇治田原町といえば日本緑茶の発祥地。そんな宇治田原で155年続く日本茶専門店「木谷製茶場」併設カフェ「お茶の郷 木谷山」では、パフェやあんみつなどお茶を使用したスイーツを堪能できます。

お茶の郷 木谷山の「抹茶ぱふぇ」
店内では特製茶葉や和菓子の販売も行っており、宇治の観光土産にぴったり。自分で石臼を挽いてできた抹茶をたてる茶道体験もお店で気軽にできるのでおすすめです。
お茶の郷 木谷山 基本情報
●住所:京都府綴喜郡宇治田原町岩山休場8
●営業時間:10:00~17:00
●定休日:水曜
●関連サイト:カフェ|宇治茶の木谷製茶場
●アクセス:
①バス停[JR宇治駅]より京都京阪バス180系統(維中前行き)に乗車し、バス停[維中前(宇治田原バスセンター)]で下車後、徒歩約15分
②平等院鳳凰堂より車で約10分
③京滋バイパス[笠取IC]より車で約15分
④京滋バイパス[南郷IC]より車で約10分
正寿院ならではの見どころ・楽しみ
正寿院は、参拝はもちろん観光を目的に訪れても楽しいお寺。
「風鈴まつり」に代表されるフォトジェニックな撮影スポットのほか、お寺ならではの体験メニューを目当てに、年間を通して多くの人が正寿院を訪れます。
ここからはそんな正寿院の見どころや、参拝と同時に楽しみたいお楽しみ要素を紹介していきます。
【猪目窓】ハート型で有名
「ハートの窓」があるお寺としてSNSで話題となった正寿院。いよいよ話題沸騰中の「ハートの窓」についてさらに掘り下げていきます。

猪目は文字通り猪の目が由来
正寿院が誇る大人気スポット「ハートの窓」。実はこれ、「猪目窓」(いのめまど)という窓の形状の種類の一つなのです。
猪目(いのめ)とは、文字通り猪(いのしし)の目の形をした文様のことで、古来から魔除けの役割として用いられてきました。各地のお寺や神社で多く見受けられられる文様ですが、その形が今や「ハート形」として話題を呼び縁結びのシンボルとなっているわけです。

「幸せのおかげ」と呼ばれる猪目の影
正寿院の客殿にある猪目窓の最大の魅力は、そのハート型の窓越しに映る四季折々の景色が楽しめること。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、その季節折々の景色が映し出されるため、どの時期に訪れてもハズレなしです。
正寿院の猪目窓は結婚式の前撮りスポットとしても人気。「幸せを呼ぶ窓」と言われるハート型を背景に撮った写真は一生の思い出となるでしょう。
なお、前撮りや七五三などカメラマン同行の撮影予約は正寿院に事前申請が必要となるのでご注意ください。また、正寿院でのウェディングフォト撮影のサポートをしてくれる前撮り専門店もたくさんあるのでチェックしてみてくださいね。
【天井画】160枚の絵画が彩る

160枚の「天井画」
猪目窓が見られる客殿の上を見上げると、天井いっぱいに敷き詰められた丸型の絵が視界に入ってきます。その数なんと160枚。
300年前に描かれた本堂内陣の天井画の復興として描かれたもので、花や日本の風景などがテーマとなっています。

天井画と猪目窓が一緒に見られる「客殿」
正寿院客殿では色とりどりの天井画とハート形の猪目窓が同時に撮影できるのも魅力のひとつ。
素敵な組み合わせの欲張りフォトを撮って、美しい思い出を写真に収めましょう。
【御朱印】毎月変わるデザイン

6月の「季節画」【虹とカエル】
月替わりのデザインの御朱印が貰えるのも正寿院のおすすめポイントの一つ。
猪目窓や観世音のデザインなど種類豊富で集めたくなりますよ。
【数珠作り】天然石に願いを込めて
カラフルな天然石でオリジナルの数珠を作ることができます。
数珠といっても、作るのは腕輪としてカジュアルに使えるもの。
天然石の意味を一つひとつ確認しながら、好きなテイストに仕上げてくださいね。
腕輪数珠作り
●所要時間:30分~40分(+説明5分)
●料金:一般 3000円、子ども 1000円
●予約:推奨(10日以上前)
●注意:
・予約必須ではありませんが、予約してあると当日の案内がスムーズです。
・予約をしていない場合でも、当日受付が可能な日もあります。
・予約時には[名前・希望日時・参加人数・電話番号]が必要です。
【お香作り】薫り立つ茶葉
体験者自身がすり鉢を使ってお茶の葉をすりつぶし、オリジナルのお香を作ることができます。
ころんとした手のひらサイズのお香は、正寿院の名物「風鈴」や、ハート型の窓をイメージした「ハート」など、正寿院に関連したモチーフをかた取ったもの。
持ち帰り可能なので、自宅でもお茶の香りを楽しめます。
お茶でお香づくり
●所要時間:30分(+説明5分)
●料金:3000円
●予約:推奨
●注意:
・予約必須ではありませんが、予約してあると当日の案内がスムーズです。
・予約をしていない場合でも、当日受付が可能な日もあります。
・開始時間は[10:30〜][12:30〜][14:30〜]から選択できます。
・2025年の開催日は下記のとおりです。
-5月17日(土)、18日(日)
-6月14日(土)、15日(日)
-7月12日(土)、13日(日)
-8月30日(土)、31日(日)
-9月13日(土)、14日(日)
-10月18日(土)、19日(日)
-11月15日(土)、16日(日)
正寿院の歴史

約800年前鎌倉時代に創建された「正寿院」
正寿院が創建されたのは今から約800年前。飯尾山医王教寺(現在は廃寺)の塔頭寺院として建てられました。塔頭とは、大寺の高僧の死後、弟子たちがその墓を守るために寺内に建てた小院のことをいいます。
戦国時代と江戸時代の二度に渡り火災に見舞われた正寿院。数少ない資料に残されている記述によると、安土桃山時代と江戸時代を跨ぐ慶長の時期に祐胤(ゆういん)という僧が再興させたそうです。

江戸時代、正寿院は寺子屋だった
江戸時代に入ると正寿院は寺子屋としての役割を果たすようになります。算術、道徳などを学ぶため多くの生徒が通っていたようで、今では「ハートの窓」があるお寺として老若男女の観光客から注目を浴びています。
正寿院のご利益
正寿院ではハートの窓で縁結びが期待できるイメージがありますが、恋愛成就以外にも現世利益、後世利益といったご利益があるのを知っていましたか?
正寿院でご利益を賜ってくれる二つのお寺の顔、「十一面観世音」と「不動明王像」について紹介します。
十一面観世音

「十一面観世音」が安置されている本堂
正寿院の本堂に御本尊として祀られている、六観音のひとつ「十一面観世音(じゅういちめんかんぜおん)」。その名の通り頭の上に11の顔を持ち、全方向を見渡すことができることから、すべての人を救うといわれています。50年に1度しかご開扉(かいひ)されない秘仏なので、公開された際は必ず足を運びたい場所です。

正寿院の「花手水」(はなちょうず)
十一面観世音のご利益は十種勝利(現世利益)と四種果報(死後成仏)。金銀財宝や食べ物に不自由しない、不慮の事故で死なない、臨終の際に如来に迎えられる、死後極楽浄土に生まれ変わるなど合計14種のご利益をあずかれます。
不動明王坐像
本院に鎮座し、現世利益というご利益をもたらしてくれる「不動明王坐像」。日本を代表する仏師で鎌倉時代に活躍した快慶の作であり、国の重要文化財に指定されています。
不動明王のご利益は煩悩退散、学業成就、厄除け、商売繁盛などがあり、さまざまな願いを聞いてくれます。不動明王にご利益をあずかりたいときは「真言」というお呪いの言葉を唱えるとよりご加護が得られるのだとか。
正寿院の風鈴を見に行こう
参拝のみならず、観光目的でも訪れたい正寿院。
風鈴まつりはもちろん、ハートの窓や天井画、御朱印や体験メニューなど、お楽しみ要素についても紹介しました。
この夏はぜひ正寿院を訪れてみてはいかがでしょうか。